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jcssのトレーサビリティを確立するのが難しいです

 今日本で急速に注目を浴びている品質管理の技術がjcssです。
その基本的な考えですが、測定器はおよそどんな測定器であっても、国家が保有する標準器によって、校正されなければならない、というのが基本的な考えです。
一体、日本には何種類くらいの測定器があるのでしょうか。
それは無数に存在するので、国家が保有する標準器と言っても、全部取り揃えるのは大変です。
まさしくこれは国家事業です。
国家事業であればこそ達成できる、大変な作業でもあります。
具体的にもう少し話を進めてみましょう。
日本では経済産業省を中心として、その下に独立法人を作って、この遠大な計画を実施しようとしています。
この品質管理の手法の基礎は世界的に有名なISOという世界標準規格です。
日本の企業は多かれ少なかれ ISO とは無縁ではありえません。
品質管理には絶対欠かせないのが ISO です。

 jcssで一番大切なのがトレーサビリティです。
トレーサビリティとは一体どのようなものなのでしょうか。
これは、 ISO 国際標準規格の根幹をなす考えですが、あらゆるものの品質を考える場合には、それを構成する様々な要素に関して、 時系列で、その品質を証明するようなデータを取り揃えておくということです。
Jcssでもこの考えは全く同じです。
ひとつだけ通常の品質管理のトレーサビリティと違う点があります。
jcss のトレーサビリティでは単に上位標準器と比較を行うだけでは足りません。
測定される校正値について、それがどのくらい不確かであるのかを、明確に記載しなければなりません。
これが、通常の品質管理のトレーサビリティと大きく異なる点です。
平たい言葉でいえば、 計測器の誤差の範囲についても、明確に記載するということです。
これが案外難しい作業となります。

 日本でも jcssの認定はとても厳しいです。
厳しい審査に合格した事業者のみが登録されます。
登録事業者は、国家が保有する標準器にトレーサブルな校正を行う事業者ということができます。
この登録事業者からの校正を受けた一般ユーザーの計測器は、いわば、国家がその正しさを証明するということで、計測器における信頼性にも繋がります。
逆にこの認定を受けることができないような計測器では、日本では、信用されないということになります。
登録事業者の審査に合格すると、 jcss 標章が付された校正証明書をもらうことができます。
これはあらゆる計測器の原点であり、それなしには、計測されたデータは信用できないということになってしまいます。
jcss のトレーサビリティを確立するためには、膨大な数の資料を揃えておくことが必要です。
簡単な作業ではありません。

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